子どもの近視ナビ

強度近視の合併症と将来のリスク

「近視くらい大丈夫」と思われがちですが、強い近視は将来の目の病気と関連します。だからこそ進行抑制が大切です。

最終更新: 2026年6月

強度近視と将来の目の健康リスクを説明する穏やかな模式図。眼球断面の周囲に網膜、黄斑、視神経、水晶体などのチェック項目を配置している。

近視は「メガネをかければ見える」と軽く考えられがちですが、 近視が強くなる(強度近視になる)ほど、 将来さまざまな目の病気のリスクが高まることが報告されています。 子どものうちに眼軸長ののびを抑え、強度近視への進行をできるだけゆるやかにすることには、将来の目の健康を守るという意味があります。

強度近視で高まるとされるリスク

眼軸長がのびて眼球が大きく引きのばされると、網膜や視神経に負担が かかります。研究(Haarman 2020 のメタ解析など)では、近視が強いほど 次のような病気のリスクが高くなる関連が報告されています。

  • 近視性黄斑症:網膜の中心(黄斑)が傷み、 見たいところがゆがむ・見えにくくなる
  • 網膜剥離:網膜がはがれ、放置すると失明につながりうる
  • 緑内障:視神経が障害され、視野が欠けていく
  • 白内障:水晶体がにごり、比較的若くして起こることがある

これらは「必ず起こる」ものではありませんが、近視が強い人ほど起こりやすい傾向がある、と理解して おくとよいでしょう。実際、眼軸長が長いほど将来見えにくさが残る リスクが高くなるという関係も示されています(Tideman 2016)。

だからこそ「進行を抑える」ことに意味がある

いったん強くなった近視を弱くすることはできませんが、これ以上強くなるスピードをゆるやかにすることは 可能とされています。子どものうちに進行を少しでも抑えておくことが、 将来の強度近視と合併症のリスクを下げることにつながると考えられています。

具体的な抑制の方法は近視抑制治療の選び方を、家庭でできる工夫は近視を防ぐ生活習慣をご覧ください。お子さまの進行の目安は予測ツールで試算できます。

強度近視は、定期的な眼科の検査で早めに変化に気づくことも大切です。 気になる症状(急に見えにくい・視野が欠ける・光が走るなど)が ある場合は、早めに眼科を受診してください。

参考文献

  1. Haarman AEG, Enthoven CA, Tideman JWL, et al. The Complications of Myopia: A Review and Meta-Analysis. Investigative Ophthalmology & Visual Science. 2020;61(4):49.
  2. Tideman JWL, Snabel MCC, Tedja MS, et al. Association of Axial Length With Risk of Uncorrectable Visual Impairment for Europeans With Myopia. JAMA Ophthalmology. 2016;134(12):1355-1363.

実際の近視進行には大きな個人差があります。本ページは一般的な情報提供であり、 診断・治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は眼科を受診してください。