
MiSight(マイサイト)は、米クーパービジョン社の子どもの近視進行抑制を目的とした1日使い捨てソフトコンタクトレンズです。「デュアルフォーカス」と呼ばれる多焦点設計で、日中の見え方を保ちながら 近視の進行を抑えることをねらいます。海外では小児近視向けに承認・使用されており、 近視抑制コンタクトの代表的な製品のひとつです。
対象年齢・費用の目安
- 方法
- 日中、1日使い捨てのソフトコンタクトとして装用する
- 対象年齢
- レンズの取り扱い・衛生管理ができる学童期以降が目安(研究では8歳ごろから)。適応は施設が判断します。
- 費用の目安
- 両眼で年 約8〜12万円程度+検査代。1日使い捨てのため継続的にかかります。
- 通院
- 装用開始後と、その後も定期的に目とレンズの状態を確認します。
※ 上記は自由診療(保険適用外)の概算です。費用・対象は施設や時期によって異なります。 1日使い捨てのため、毎日新しいレンズを使い、使い回しはしません。 実際の金額・適応は受診先の医療機関にご確認ください。
どんな仕組み?
MiSightのレンズは、中央にふつうにピントが合う部分があり、その周囲に近視性デフォーカスを作る度数の輪(治療ゾーン)が同心円状に 配置された「デュアルフォーカス」設計です。中央部でくっきり見えるため日常生活に 支障はなく、同時に周囲のゾーンが網膜の手前にピントを結ぶ光を作り出します。
この網膜の手前で光が結ばれる状態が、眼軸長ののびをゆるやかにすると考えられて います。EDOFコンタクトレンズやDIMS眼鏡レンズと共通する考え方です。
近視抑制の効果は?(Chamberlain 2019 / 3年間の研究)
シンガポール・カナダ・ポルトガル・英国の4か国で行われた3年間のランダム化比較 試験(Chamberlainら, 2019年)では、8〜12歳で登録した近視の子どもを対象に、 MiSightとふつうの単焦点ソフトコンタクトを比較しました。その結果、MiSightを 使ったグループでは、単焦点コンタクトのグループに比べて近視の進行が約59%、眼軸長ののびが約52%ゆるやかだったと報告されて います。
試験中、レンズに関連する重い目の合併症は報告されていません。ただし効果の大きさには 個人差があり、すべての子どもに同じように効くわけではありません。
メリット
- 日中は裸眼の感覚に近く、眼鏡をかけずに過ごせる
- 1日使い捨てで衛生管理がしやすい
- 近視抑制を目的に設計され、3年間の比較試験のデータがある
- 装用をやめれば元に戻る(可逆的)
注意点・デメリット
- 衛生管理が重要:ソフトコンタクトのため、誤った使い方は 角膜の感染症などのリスクになります。
- 毎日の装用と管理:効果を得るには続けて装用する必要があります。
- 効果には個人差:進行が十分に抑えられない子もいます。
- 自由診療で費用がかかり、金額は施設によって異なります。
どんな子どもに向いている?
眼鏡をかけたくない、スポーツをよくする、レンズの取り扱いと衛生管理を続けられる、 といったお子さまに向いています。コンタクトの管理が難しい場合はDIMS眼鏡レンズや低濃度アトロピン点眼も選択肢になります。適応の判断は、必ず近視抑制治療を扱う眼科で受けてください。
ほかの治療法との比較は治療についてのページで紹介しています。お子さまの数値で進行の目安を試算したい場合は予測ツールをご利用ください。
参考文献
- Chamberlain P, et al. A 3-year Randomized Clinical Trial of MiSight Lenses for Myopia Control. Optometry and Vision Science. 2019;96(8):556-567.