
健診や眼科で「仮性近視」という言葉を聞いて、 心配になった保護者の方は少なくありません。仮性近視は、ピントを合わせる筋肉(毛様体筋)が一時的に緊張して 近視のように見える状態で、「調節緊張」とも呼ばれます。 本当の近視(眼球が長くのびる近視) とは仕組みが異なります。
本当の近視との違い
近くを長時間見続けると、ピント合わせの筋肉が緊張したままになり、 遠くを見たときに一時的にぼやけることがあります。これが仮性近視です。 本当の近視(軸性近視)は眼軸長がのびて起こる構造的な変化で、元には戻りません。 一方、仮性近視は筋肉の緊張がほぐれれば視力が戻ることがある点が大きな違いです。
どうやって見分けるの?
見た目の視力検査だけでは、仮性近視と本当の近視を正確に区別するのは 難しいことがあります。眼科では、調節麻痺薬(ピント合わせの 力みを一時的にゆるめる目薬)を使って検査することで、 筋肉の緊張を取り除いた状態の本当の度数を調べ、見分けることができます。 「近視と言われたが本当に近視?」と気になるときは、眼科でこうした 検査を受けると安心です。
家庭での向き合い方
- 近業(読書・スマホ・ゲーム)を長時間続けない。 こまめに休み、遠くを見て筋肉をゆるめる時間をつくりましょう。
- 屋外で過ごす時間を増やす。屋外活動は近視の 予防・抑制にも役立つと報告されています。
- 見えにくさが続く・進む場合は、仮性近視と決めつけず眼科で定期的に確認しましょう。仮性近視が そのまま本当の近視に移行することもあります。
仮性近視だからといって放置してよいわけではありません。 生活習慣を整えながら、必要に応じて眼科で経過をみてもらうことが大切です。 家庭でできる工夫は近視を防ぐ生活習慣を、近くの見過ぎの影響はデジタル端末と近視もご覧ください。
参考文献
- 公益社団法人 日本眼科医会 子どもの近視 / 気をつけよう!子どもの近視 日本眼科医会 目についての健康情報. [リンク]
- Huang HM, Chang DST, Wu PC. The Association Between Near Work Activities and Myopia in Children — A Systematic Review and Meta-Analysis. PLoS One. 2015;10(10):e0140419.