子どもの近視ナビ

オルソK+低濃度アトロピンの併用療法とは

2つの近視抑制治療を組み合わせて、より高い効果を目指す「併用療法」の考え方を解説します。

最終更新: 2026年6月

オルソケラトロジーのレンズケースと低濃度アトロピン点眼を組み合わせる併用療法の模式図。異なる2つのアプローチを眼科管理のもとで組み合わせる考え方を示している。

近視の進行抑制には、オルソケラトロジー低濃度アトロピン点眼など、仕組みの異なる方法があります。この2つを組み合わせて使うのが「併用療法」で、単独よりも高い抑制効果が期待できると報告されています。

なぜ組み合わせると効果が高まる?

オルソケラトロジーは、就寝中に特殊なハードコンタクトで角膜の形を整え、光学的に網膜周辺のピントを操作して眼軸長ののびを抑えます。 一方、低濃度アトロピンは点眼によって薬理学的に進行を抑える と考えられています。アプローチが異なるため、足し合わせることで相乗効果が生まれる可能性があると 考えられています。アトロピンでわずかに瞳孔が広がることが、 オルソケラトロジーの光学的な効果を後押しするという見方もあります。

エビデンス

2年間のランダム化比較試験(Kinoshita 2020)では、 オルソケラトロジー単独のグループと、オルソケラトロジーに0.01%アトロピンを 併用したグループを比較し、併用したグループのほうが眼軸長ののびが さらに抑えられたと報告されています。特に、オルソケラトロジー単独では効果が出にくい弱度近視のお子さまで、併用の上乗せ効果が期待されると考えられています。

向いているケース・注意点

  • オルソケラトロジーを続けているが進行が止まりにくい場合に、 上乗せの選択肢として検討されることがあります。
  • 2つの治療を併用するため、費用と通院の負担が増える点に注意が必要です(いずれも自由診療)。
  • 点眼・レンズそれぞれに注意点や副作用があり、必ず眼科の管理のもとで行います。自己判断での 組み合わせは避けてください。
  • すべての子どもに併用が必要なわけではありません。単独で十分な 効果が得られていれば、無理に併用する必要はありません。

どの治療が向いているかは、年齢・近視の強さ・生活スタイルによって変わります。近視抑制治療の選び方もあわせてご覧いただき、眼科でご相談ください。進行の目安は予測ツールで試算できます。

参考文献

  1. Kinoshita N, Konno Y, Hamada N, et al. Efficacy of combined orthokeratology and 0.01% atropine solution for slowing axial elongation in children with myopia: a 2-year randomised trial. Scientific Reports. 2020;10:12750.
  2. Cho P, Cheung SW. Retardation of Myopia in Orthokeratology Study (ROMIO). Investigative Ophthalmology & Visual Science. 2012.
  3. Yam JC, et al. Two-Year Clinical Trial of the Low-Concentration Atropine for Myopia Progression (LAMP Study). Ophthalmology. 2020.

実際の近視進行には大きな個人差があります。本ページは一般的な情報提供であり、 診断・治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は眼科を受診してください。