眼科専門医とは、眼科に関する知識と技術が一定の水準に達したと 認められた医師です。2018年に始まった新専門医制度のもとで、 現在は第三者機関である日本専門医機構が認定し、 基本領域の学会である日本眼科学会が研修プログラムや認定試験の 運用を担っています(眼科では2022年から日本専門医機構の基準に沿った制度に 移行しました)。
制度のあゆみ(いつから?)
日本で眼科専門医を認定する制度は、1982年(昭和57年)に 日本眼科学会が「専門医制度規則」を制定して始まりました。 それ以前は「眼科専門医」という公式な資格はなく、医師免許を持つ医師が それぞれ研鑽を積んでいました。
発足初期には移行措置(経過措置)が設けられました。 すでに一定の臨床経験を積んでいた既存の眼科医(1984年4月1日時点で 眼科医だった医師)は、5年間で所定の単位(100単位)を取得すれば、書類審査により試験を免除(無試験)され、1989年4月1日から 専門医として認定されました。
一方、若い世代には認定試験が課され、第1回の専門医認定試験は 平成元年(1989年)に実施されました。おおむね1984年(昭和59年) 以降に医学部を卒業した世代から受験が求められ、「一つ上の先輩は無試験、 自分たちの代から試験」という切り替わりが起きたことが、当時の学会の手記にも 残っています。以降は研修と認定試験を経て認定する仕組みが定着しています (2026年で第38回)。
- 1982年(昭和57年):日本眼科学会が専門医制度規則を制定
- 1984年4月1日:経過措置の基準日(この時点の眼科医が対象)。 5年間で100単位を取得
- 1989年(平成元年):経過措置による無試験認定(書類審査)が 始まり、同年に若手対象の第1回専門医認定試験を実施
- 2018年:新専門医制度が開始 →2022年10月:日本専門医機構の基準に沿った現在の制度へ移行
だれが認定するの?(新専門医制度)
以前は各学会が独自に専門医を認定していましたが、認定の質を全国で そろえるため、2018年から国も関与する新専門医制度に 変わりました。眼科専門医は、研修・試験などの実務を日本眼科学会が 運用し、認定と更新は日本専門医機構の基準に基づいて行われます。
なお、新制度の前に日本眼科学会の認定を受けた専門医も、引き続き 「眼科専門医」として診療しており、更新のたびに新制度へ移行していきます。 いずれも眼科の専門研修と試験を経た医師である点は変わりません。
どうやってなるの?(認定の条件)
- 医師免許を取得後、初期臨床研修(2年)を修了し、 さらに4年以上(合計6年以上)の眼科専門研修を、 認定された研修プログラムで受ける
- 必要な症例・手術の経験や、学会発表・論文などの実績がある
- 日本眼科学会・日本眼科医会の会員である
- 専門医認定試験(筆記+実技)に合格する
- 資格は5年ごとに更新(眼科の臨床実績や単位取得が必要)
子どもの近視管理での役割
眼科専門医は、子どもの近視管理の中心的な役割を担います。
- 近視かどうか、仮性近視ではないかの 診断(必要に応じて調節麻痺薬を使った屈折検査)
- 低濃度アトロピン点眼・ オルソケラトロジー・近視管理用眼鏡など、治療方針の決定と処方
- 眼軸長などを定期的に測り、 進行・治療効果を管理する
- 強度近視に伴う合併症のチェック
近視の進行抑制は、自己判断ではなく眼科(できれば近視抑制治療を扱う眼科)で相談しながら進めることが基本です。お子さまの数値での進行の目安は予測ツールで試算できます。
参考文献
- 公益財団法人 日本眼科学会 専門医制度(1982年発足の沿革・目的). 日本眼科学会 公式サイト. [リンク]
- 公益財団法人 日本眼科学会 2026年度専門医認定試験(第38回日本眼科学会専門医認定試験)案内(第1回は1989年). 日本眼科学会 公式サイト. [リンク]
- 公益財団法人 日本眼科学会 第28回専門医認定試験 談話室(「平成元年に行われた第1回専門医認定試験」と記載). 日本眼科学会(会員向け資料・PDF). [リンク]
- 愛知県眼科医会 プロフェッションとCPD④(1982年規則制定、1984年4月1日現在の眼科医は5年で100単位取得し1989年4月1日より無試験認定、との経過措置の記載). 愛知県眼科医会(JIA東海支部). [リンク]
- 公益財団法人 日本眼科学会 眼科専門医制度・専門医認定試験(眼科専門医取得の手引き). 日本眼科学会 公式サイト. [リンク]
- 一般社団法人 日本専門医機構 専門医制度(基本領域専門医の認定と更新/新専門医制度). 日本専門医機構 公式サイト. [リンク]
- 日本眼科学会 近視管理用眼鏡(多分割レンズ)ガイドライン(第1版) 日本眼科学会雑誌. 2025;129(8):855. [リンク]